胃の痛み・むかつき・胃もたれ”なんだか胃の調子が悪い!”という状態は誰もが経験していることでしょう。ストレスが原因であったり、暴飲暴食が原因であったり、 もともと胃が弱い体質であったりと様々でしょう。 ストレスに胃はとても敏感に反応します。 病気でなくても食欲がなくなることで胃の働きが弱くなり、 胃もたれや胸やけといった症状がでることもあります。 また多少は調子が悪くても ”私は胃が強いから”と食事もしっかり食べてしまい、 胃にかえって負担をかけてしまい、 胃もたれやげっぷなどの症状がでる場合もあるでしょう。 最近では機能性胃腸症(Functional dyspepsia、FD)と言われ、 ”内視鏡検査をしても胃潰瘍や胃炎といったはっきりとした異常がないのに、 胃の痛みやもたれ、吐き気、胸やけ、嘔吐などの症状がある” という人も増えています。 機能性胃腸症は新しい病気というわけではなく、 日本人の4人に一人が経験していると言われています。 ストレスが主な原因と言われており、 ストレス社会の現代病といってもいいですね。 【原因】 ◇“胃の痛み”の原因は色々とあるといわれていますが、 たとえば、胃の痛みをお腹がすきすぎた時に感じるという人もいれば、 食事をした後に、食べすぎて胃の痛みを感じているという人もいます。 他にもストレスを感じたために胃の痛みを感じるという人もいます。 胃液は強い酸でできているため、胃粘膜は粘液を出して、自ら胃を守っています。 しかし、胃酸が強くなりすぎたり、粘液がスムーズに分泌されないと、 胃粘膜が荒れて胃炎が起こったり、さらに進行して胃潰瘍になります。 多くの場合、胃酸が出過ぎていることから 胃の痛みを感じる人が多いといわれています。 胃酸の分泌のしすぎは、不規則な生活をしていたり、 食べてすぐに寝たり、食べすぎ、ストレスを感じたりしても 胃の痛みを感じるというケースはありますし、 薬を飲んでいて副作用によって胃の保護機能が低下し、 胃の粘膜が荒れてしまって胃の痛みを感じるという人もいます。 ◇“胃のむかつき”を感じるという人も多いと思います。 他にも精神的なストレスを感じているために、 会社へ行くとそれまで大丈夫だったのに、 行ったとたんに胃のむかつきを感じてしまうという人もいるでしょう。 胃のむかつきだけでなく 胃もたれや胃の痛みなどの症状も合わせて併発する人もいますし、 胃のむかつきが原因で口臭が匂ってしまう場合もあります。 胃のむかつきの原因は胃酸が出過ぎの場合もありますが、 人間の胃が動いている時間というのは、 ”朝9時ごろから夜9時”ごろまでとされていますから、 この時間以外に食べ物を食べたりすると、 胃が働いていない時間帯になるので、胃のむかつきを感じることがあります。 食事以外で胃のむかつきを感じるという場合には、お酒の飲みすぎの場合もあります。 ◇ “胃もたれ”になったことがあるという人は多いと思いますが、 胃もたれの状態というのは、 胃の運動機能が低下してしまったことによって起きています。 食べ物を食べると消化液である胃酸を食べ物に混ぜながら、 徐々に分解して小腸に運んでいくのですが、 胃もたれの状態になってしまうと、 この消化液を出して小腸に運ぶという状態がスムーズに行われなくなってしまいます。 胃の中に分解されずに、食べた物が残っている状態を胃もたれといいます。 胃もたれは食べすぎによって起きる人もいますし、 他にも、薬を飲んだ人が、薬の副作用で胃もたれになるというケースもあります。 ストレスによって胃もたれが生じる人もいるといわれていますから、 胃もたれの原因というのは人それぞれ違っています。 【対策】 胃酸の分泌を強めてしまうのが、暴飲暴食・刺激物・アルコールなど。 粘液の分泌を低下させるのがタバコ・ストレスなどです。 暴飲暴食・タバコ・アルコールを避けるのはもちろん、 ストレスをためないようにすることも大切ですね。 また、最近ではピロリ菌という胃内の細菌も、 胃潰瘍の大きな原因のひとつとされていますね。 食べ方も注意が必要です! 胃の負担になる様な食べ方をしていないかチェックしましょう~ ● 早食い よく噛まずに飲み込むような早食いは、胃にとても大きな負担をかけてしまいます。 よく噛まずに飲み込まれた食物を胃が消化しようとしますので、 胃に大変負担がかかり、疲労してしまい。 また、早食いすることで、食べ物と一緒に空気も飲み込んでしまい、 胃が必要以上にふくらんでしまい、胃が張ってげっぷなども出ます。 そして胃が膨らみすぎることで苦しく感じたりもします。 ● 食べ過ぎ 食べ過ぎて胃に食べ物がいっぱい詰まった状態になると、 食べ物が消化しきらずに胃に残ってしまうことがあり、 胃に長時間大きな負担をかけることになります。 ● すすり食い すすり食いも食べ物を飲み込むのと一緒に空気も飲み込んでしまうので、 必要以上にに胃が膨らんでしまい、胃に大きな負担がかかります。 ● 食事の時間が不規則 仕事が忙しく食事をとる時間が不規則な方はたくさんいらっしゃるかと思いますが、 食事時間が不規則だと胃の休まる時間がなく、常に胃液を分泌し、 蠕動運動をしなくてはならず、胃に大きな負担がかかります。 特に夜遅くに食事を食べると、睡眠中に胃の中に食べ物が停滞してしまいます。 胃の中に長時間食べ物が残留することにより胃が荒れ、 朝起きたときになんとも言えない不快感や胃もたれを引き起こします。 睡眠2、3時間前は、できるだけ食べたり飲んだりを控えるようにしましょう。 食事のとり方の注意 ☆お腹一杯食べない(腹八分目) ☆ゆっくりよく噛んで食べる ☆食事時間を規則正しく(夜寝る2、3時間前からは食事は控える) ☆食後は30分程度の食休みをする。 【食事】 胃の痛みがあるときは胃の負担を軽減するようにしましょう。 一度に食べる量を少なめにし、消化のよいものを食べ、 消化の悪いもの(油脂類、食物繊維)や 胃を刺激するもの(ワサビ、唐辛子、コーヒー、紅茶、アルコールなど)を控えましょう。 牛乳や乳製品は胃粘膜を保護してくれますが、 動物性脂肪の摂り過ぎは肥満につながるのでご注意を。 冷たすぎ熱すぎの食べ物・飲み物も胃を刺激してしまいます。 人肌かやや温かいくらいが胃に優しい温度ですね。 【注意点】 ●薬を飲んでもよくならない、 胃の症状以外に黒い便が出るなどほかの症状を伴うときは、 胃・十二指腸潰瘍や胆石、すい臓の病気、がんなど 原因となる病気が潜んでいるかもしれません。 自己判断をせず、消化器の専門医に相談しましょう。 ●胃が痛むのは粘膜の荒れがかなり進行しているときですが、 進行が止まっているときには痛みはありません。 痛いときだけその場しのぎに薬を飲んでいると、 どんどん悪化してしまうので要注意です。 再発性の胃潰瘍の場合は1週間のピロリ菌除去治療で防止できることがあります。 健康な人は胃腸がとても綺麗だと言われます。 人の身体は食べたものでできていますが、 胃腸が悪いと食べた栄養もうまく取り込めませんものね。 胃腸が悪いと免疫力も低下してしまいます。 もともと胃腸が弱い方や食事をなかなか改善できない方など サプリメントを試されてもいいですね♪ またストレス時に消費されてしまうビタミンもあります。 サプリメントで補ってあげましょう。 ************************************ もう随分前のお話になりますが、機能性胃腸症といえば、 安倍元首相が突然の辞任表明をしたあと、 「”機能性胃腸症”で緊急入院」というニュースが流れました。 「え?機能性胃腸症で入院?」とも思いましたが、 胃の痛みなどの辛さは本人にしかわからない部分も多くあります とにかく無理はしないようにして下さいね。 製薬会社で働いている時、消化器系の薬を多く扱っていたので特に良く勉強しましたっけ。 昔は胃潰瘍といえば開腹して手術した時代がありました。 大昔ではなくて30年くらい前のお話ですよ。 夏目漱石は、胃潰瘍で亡くなったと言われていますし。 今は薬を飲むだけで治ってしまうのですから、 本当にこの分野の医学は、短期間で急激に進歩しましたよね。 今は経済もかなり厳しい状況ですので、胃の調子を崩される方も多いかもしれませんね。 2009.4.24 |